内容紹介
この国の騎士爵家の三男とは、家の為に献身を求められ、やがて民の為に死ぬ運命にある存在だ。私には前世の記憶と、幸いなことに持って生まれた『ギフト』があった。その恩恵のおかげで私は王都の魔法学院に入学することができた。華やかな貴族社会で羽目を外す婚約者を尻目に、私はただひたすら学院の環境を活かして、家族のために己の研鑽を積む。なぜなら、彼らは前世で経験したことのない愛情を私に与えてくれたからだ。民草を護り、王国の安寧に寄与すると壮大で殊勝で矜持に満ちた父や兄達とは違い、私にはそのような大それた信念は無い。ただ、私を愛してくれた者達が安寧に暮らしていける手段を求め続けているだけだ。だから、買い被りはよしてくれ。私は、辺境の子であり、騎士爵家の三男であり……自分の名前すらわからない「名もなき」存在なのだから。
レビュー1
5/52025/10/06 tann
主人公が自身の本懐を遂げるために、周囲の思惑に振り回されることなく進むべき道を歩んで行くところが良かった。登場人物の名前が1人も出てこないことも気にならずに楽しめました。後書からすると、三男の『神名』を読者は知ることが出来ると期待していいのでしょうか? 楽しみです。