内容紹介
かつて、地中海からインドにかけて、壮大な大帝国を築いた青年がいた。その名は、アレクサンドロス――。紀元前359年、ギリシャ辺境の地マケドニアの王子として生まれ、父フィリッポスの急死により弱冠20歳の若さで即位するや、東方アジアへの遠征を敢行。小アジア、エジプトを制圧し、ついに宿敵・ダレイオス王を破り、ペルシャ帝国を征服する。しかし、アレクサンドロスの野望は止まることを知らない。さらに東方へ兵を進めようとする矢先、病に倒れ、33年の短い一生を閉じる。大王の死後、40年に渡る後継者戦争の末、アレクサンドロスの妻子は殺され家系は断絶、彼が築いた帝国は臣下たちによって解体され、分割統治されることになる。マケドニア生まれの一青年を「世界」の涯へと駆り立てたものは一体何だったのか? 友人で部下のリュシマコスの目を通して描かれる、大王の知られざる真実の姿とは――。「アレクサンドロスは、もちろん俗人の域をはるかに超えていただろう。しかし、「超人」ではなかった、と思う。超人に対する畏敬の念ではなく、リュシマコス達は彼に深い愛情を抱いていたのではないか。敬意に加えて親しみを、畏れに加えて憐憫の情を。彼の短い人生と長い遠征に同伴した人々はみな感じていたのではないか。そう想像しつつ僕もつかの間、一兵卒として隊列の端に加わってみることにした」(本書「あとがき」より)『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』の巨匠・安彦良和が描く、歴史ファンタジーの傑作!
レビュー1
面白すぎる、アレクサンドロス戦記。「地中海世界を統一する」というのは、歴史上でも類を見ない偉業だ。チンギス・ハーンやナポレオンや康熙帝は、版図こそ上回るが、どうしても大王というのは偉大だ。 後継者(ディアドコイ)たちがあこがれた星の名前は、アレクサンドロス。21世紀現在においても崇敬される、恐るべき大王の物語。